133 本。それが今の n8n ワークフローの数だ。
最初にその数字を聞いたとき、君はどう思う?
「すごいですね」と言うかもしれない。でも正直に言う。その半分以上は、一度も本番で動かなかった残骸だ。
俺はプログラミングができない。for ループを自分で書いたことが一度もない。それでも今、n8n で退職代行アフィリの自動投稿、YouTube 台本生成、Obsidian との双方向同期、LINE ステップ配信 — こういったシステムが毎日動いている。
全部 Claude Code に書かせた。
今回は、その過程で俺が犯した失敗と、そこから学んだことを全部書く。
そもそも n8n って何
n8n は「ノーコード自動化ツール」のひとつだ。Zapier や Make に似ているが、セルフホストできるのが決定的な違い。
月額 0 円で、自分のサーバー(俺は VPS を 700 円/月で使っている)に置ける。API 連携・条件分岐・JavaScript の実行まで、GUI でノードをつなぐだけでできる。
コードゼロで動かせる部分が多い。でも「もう少し複雑なことをしたい」と思い始めると、Code ノードという JavaScript の壁にぶつかる。
そこで Claude Code が必要になる。
最初の 1 本を作るまで:2 週間の迷走
最初の WF は「X(旧 Twitter)に毎日自動投稿する」というシンプルなものだった。
これだけに 2 週間 かかった。
原因のほとんどは「何をお願いすればいいかわからない」だった。
- 「n8n で自動投稿したい」と Claude に言っても、情報が足りなすぎてピント外れの回答が返ってくる
- 自分で調べようとしたら英語のドキュメントの海に溺れる
- とりあえず作ったものが JSON エラーで動かない
最終的に気づいたのは、「Claude に渡す情報が少なすぎる」 ということだ。
Claude は優秀だが、読んでいないコードは変更できない。見えていない仕様は実装できない。俺がやるべきことは「何を作るか」ではなく「どう説明するか」だった。
転機:CLAUDE.md という設計書
Claude Code には CLAUDE.md というファイルを置く機能がある。
プロジェクトのルール、技術スタック、作業方針をここに書くと、Claude が毎回読み込んでくれる。
俺はここに n8n のすべてを書いた。
## n8n 実行環境
- URL: http://n8n:5678
- バージョン: 1.x
- Code ノード: JavaScript のみ(Python 非対応)
## WF 命名規則
WF-{機能}-{連番}: 例 WF-X-POST-01
## 禁止事項
- child_process の使用
- fetch の代わりに HTTP Request ノードを使うこれを書いてから、Claude が出すコードの品質が激変した。
「環境を伝える」というたった1ステップで、2週間の詰まりが1日で解消されるようになった。
50 本の壁:「動く ≠ 使える」
WF が 50 本を超えたあたりで気づいた問題がある。
動いているが、使っていない WF が大量にある。
例えば「毎朝 7 時にニュースを要約して Slack に送る」WF。作った当初は便利だと思ったが、3 日で見なくなった。結局 Slack の通知を全部オフにしていたからだ。
作業の自動化 ≠ 収益の自動化。
これが、AI 副業で最初にぶつかる本質的な壁だ。
何かを自動化しても、その自動化が「成約」「リスト追加」「PV」といったビジネス指標に直結しない限り、ただの電気代だ。
133 本のうち、今日も毎日動いている「生きている WF」は 約 40 本 だ。残りの 93 本は廃棄 or 停止中だ。廃棄ではなく「学習コスト」と呼ぶことにしている。
今、毎日動いている WF の構造
生きている 40 本の WF は、大きく 4 つのカテゴリに分かれている。
1. コンテンツ生成(12 本)
n8n が Obsidian の知識ベースを読み込み、autoclaw(俺専用の LLM プロキシ)に記事下書きを依頼する。毎朝 Slack に「テーマ候補 5 つ」が届く。俺が番号を返信すると、30 分後に下書きが Obsidian に保存される。
2. データ収集(10 本)
X の UGC トレンド収集・競合サイトの RSS 取得・GitHub トレンドリポジトリの自動クリッピング。全部 Obsidian の ideas/ フォルダに流し込まれる。
3. 収益直結(8 本)
LINE ステップ配信・退職代行アフィリ記事の自動生成・X スケジュール投稿。ここだけは丁寧に作った。エラーが出たら DLQ(デッドレターキュー)に入るようにして、手動で対処できる仕組みにしている。
4. 監視・メンテナンス(10 本)
n8n 自体のヘルスチェック・Supabase テーブルの週次レポート・Vercel デプロイ監視。見えないところで毎日動いている縁の下の力持ちだ。
Claude Code に頼む時の「設計書の書き方」
最後に、俺が今使っているフォーマットを共有する。
Claude に WF を依頼する時、俺はこのテンプレートを使う。
## 依頼: {WF 名}
### 目的
{1 行で何をするのか}
### トリガー
Webhook / Cron({時刻}) / 手動
### 処理の流れ
1. {ステップ1}
2. {ステップ2}
3. ...
### 使う外部サービス
- {サービス名}: {エンドポイント or 用途}
### 出力
{どこに何を送るか}
### 失敗時の挙動
{エラーハンドリングの要件}
これだけ書けば、Claude は 9 割の確率で動くコードを返してくれる。
逆に言えば、この情報がない「n8n で自動化して」は、Claude にとっては「何かおいしいもの作って」という注文と同じだ。
まとめ
- Claude Code は「コードを書いてくれる AI」ではなく「設計書を渡せば動くものを作ってくれる AI」だ
- 最初の壁は技術ではなく「何をどう説明するか」の言語化
- CLAUDE.md に環境とルールを書くのが最速の近道
- 「動く WF の数」より「ビジネス指標に直結している WF の数」が本当の指標
133 本作った。93 本は今日も動いていない。でも後悔はない。
やってみないと、何が無駄かわからない。やった数だけ、次の精度が上がる。
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俺が実際に使っている n8n WF の設計テンプレート(Claude Code 依頼フォーマット付き)を LINE で配布しています