毎日手動で情報をまとめている時間——自動化できたら何分節約できるでしょうか。
n8n と Obsidian を連携すると、RSS・Slack・Web クリップなどの情報を自動で Obsidian の vault に保存できます。
この記事でできること:
- RSS フィードを定期取得して Obsidian に Markdown ファイルが自動生成される
- YAML Front Matter(タグ・ソース・日付)付きのノートを自動作成する
- Slack のメッセージや Web の記事を vault に自動保存する
著者について: THINK YOU LAB では Obsidian vault を git で管理し、n8n で情報収集フローを自動化しています。RSS 取得・デイリーノート生成・AI セッションサマリー保存など複数のワークフローを本番稼働させた経験をもとに書いています。
n8n と Obsidian の連携パターン概要
Obsidian に REST API がない問題(直接書き込みが基本)
Obsidian は現時点でネイティブな REST API を持っていません。n8n との連携は「ファイルシステムへの直接書き込み」が基本になります。
この制約から、連携方法は n8n と vault がどこにあるかによって変わります。
連携パターン3つ
パターン A: ローカルファイル直接書き込み
n8n がローカル PC で動いている場合、Obsidian の vault フォルダに直接 Markdown ファイルを書き込めます。
n8n(ローカル起動)
→ Write Binary File ノード
→ vault フォルダ(例: /Users/username/obsidian-vault/00_inbox/)
→ Obsidian が変更を検知して同期
パターン B: VPS の n8n から git push して同期
n8n が VPS(クラウドサーバー)で動いている場合、VPS 上の vault リポジトリにファイルを書き込み → git push → PC の vault が pull で同期するフローを構築します。
n8n(VPS)
→ Execute Command ノード(ファイル書き込み + git commit + push)
→ GitHub / Git リポジトリ
→ PC の vault が定期 pull または手動 pull
パターン C: Obsidian Local REST API Plugin を使う
Obsidian Local REST API というコミュニティプラグインをインストールすると、Obsidian の vault を REST API 経由で操作できます。n8n の HTTP Request ノードから呼び出せます。
THINK YOU LAB での選択(git 管理 vault + 自動コミット)
THINK YOU LAB では パターン B(git 管理 vault) を採用しています。
理由:
- vault を GitHub で git 管理しているため、VPS から push するだけで PC・スマホに同期される
- Obsidian Sync との二重同期が不要(git が正本)
- 週次自動コミットスクリプトとの相性が良い
n8n の基本操作はこちら → n8n と Claude AI を組み合わせた自動化ガイド
RSS フィードを定期取得して Obsidian に保存する(基本実装)
「RSS → Obsidian 自動保存」を例に、基本的なフローを作ります。
RSS Feed Read ノードの設定
-
新規ワークフローを作成して 「Schedule Trigger」 ノードを追加
- Interval:
Every Day(または任意の頻度) - Time:
07:00(毎朝7時)
- Interval:
-
「RSS Feed Read」 ノードを追加
- URL: RSS フィードの URL を入力(例:
https://example.com/feed) - 取得件数:
10(最新10記事)
- URL: RSS フィードの URL を入力(例:
記事データの整形(タイトル・URL・日付の取得)
RSS ノードから取得できるデータは概ね以下の構造です。
{
"title": "記事タイトル",
"link": "https://example.com/article",
"pubDate": "2026-03-15T07:00:00.000Z",
"content": "記事の本文(HTML の場合がある)",
"contentSnippet": "記事の冒頭テキスト"
}Set ノードを追加して、Markdown ファイルの内容を整形します。
# {{ $json.title }}
**ソース**: {{ $json.link }}
**日付**: {{ $json.pubDate.split('T')[0] }}
## 概要
{{ $json.contentSnippet }}
Markdown ファイルの生成(Write Binary File ノード)
「Write Binary File」 ノードで Markdown ファイルを書き出します。
設定:
- File Name:
{{ $json.pubDate.split('T')[0] }}-{{ $json.title.replace(/[^a-zA-Z0-9\u3040-\u9FFF]/g, '-') }}.md - Data Property Name:
data(前のノードで生成したテキストを指定)
ファイル名に日付を入れることで、後から時系列で整理しやすくなります。
YAML Front Matter の付与
Obsidian の検索・タグ機能を活用するために、YAML Front Matter を付けます。
---
title: "{{ $json.title }}"
date: {{ $json.pubDate.split('T')[0] }}
source: "{{ $json.link }}"
tags:
- rss
- inbox
---Set ノードでファイルの先頭にこのテキストを付けてから Write Binary File ノードに渡します。
vault へのファイル書き込み方法(同期方式別)
パターン A: ローカル vault フォルダに直接書き込む
n8n がローカルで動いている場合の最もシンプルな方法です。
Write Binary File ノードの File Name に vault の絶対パスを含めます。
# Windows の例(Docker の場合、マウントパスに依存)
/home/node/vault/00_inbox/{{ $now.toFormat('yyyy-MM-dd') }}-{{ $json.title }}.md
注意: vault フォルダを Docker ボリュームとして n8n コンテナにマウントする必要があります。
# docker-compose.yml の volumes 設定に追加
volumes:
- n8n_data:/home/node/.n8n
- /path/to/obsidian-vault:/home/node/vault # ← vault をマウントパターン B: VPS の n8n から git push して同期する
VPS で n8n が動いている場合、Execute Command ノードを使ってファイル書き込みと git 操作を行います。
# Execute Command ノードで実行するコマンド例
cd /home/ubuntu/obsidian-vault && \
cat << 'EOF' > inbox/{{ $now.toFormat('yyyy-MM-dd') }}-rss.md
---
title: "{{ $json.title }}"
date: {{ $now.toFormat('yyyy-MM-dd') }}
source: "{{ $json.link }}"
tags: [rss, inbox]
---
{{ $json.contentSnippet }}
EOF
git add . && \
git commit -m "auto: RSS取得 {{ $now.toFormat('yyyy-MM-dd') }}" && \
git push origin mainセキュリティ: VPS に SSH キーを設定して GitHub への push を認証します。
パターン C: Obsidian Local REST API Plugin を使う
Plugin をインストール後、HTTP Request ノードで以下のように呼び出します。
POST http://localhost:27123/vault/path/to/note.md
Authorization: Bearer {APIキー}
Content-Type: text/markdown
---
title: "ノートタイトル"
---
ノートの本文
応用 — Slack・Web クリップ・Claude API との組み合わせ
Slack のメッセージを Obsidian に保存する
Slack の特定チャンネルに投稿されたメッセージを自動で vault に保存するフロー:
Slack Trigger ノード(特定チャンネルの新規メッセージ)
→ Set ノード(Markdown 整形)
→ Write Binary File ノード(vault に保存)
Slack ノードの設定で「On message」トリガーを選択し、監視するチャンネルを指定します。#reading-list や #to-review など専用チャンネルを作ると管理しやすいです。
URL をペーストしたら本文を取得して Obsidian に保存する
Webhook → URL から記事本文を取得 → vault に保存するフロー:
Webhook ノード(URL を受け取る)
→ HTTP Request ノード(URL にアクセスして HTML を取得)
→ HTML Extract ノード(本文テキストを抽出)
→ Set ノード(Markdown 整形 + YAML Front Matter 付与)
→ Write Binary File ノード(vault に保存)
スマホのブラウザから「共有 → URL を n8n の Webhook に送る」という使い方ができます。
HTTP Request ノードの使い方はこちら → n8n Webhook の使い方
Claude API で要約して Obsidian に保存する
RSS や Web クリップで取得した記事を Claude API で要約してから保存するフロー:
RSS Feed Read ノード
→ HTTP Request ノード(Anthropic API を叩いて要約)
→ Set ノード(要約 + 元記事 URL で Markdown 整形)
→ Write Binary File ノード(vault に保存)
HTTP Request ノードで POST https://api.anthropic.com/v1/messages を呼び出します。Anthropic API の Credential を n8n に登録しておけば、コードゼロで AI 要約パイプラインが完成します。
よくあるトラブルと対処法
ファイルのエンコーディング問題(日本語が文字化けする)
症状: vault に保存されたファイルを Obsidian で開くと日本語が文字化けする
原因: n8n の Write Binary File ノードがデフォルトで UTF-8 以外のエンコーディングを使っている場合がある
対処:
- Set ノードで文字列を生成するときに明示的に UTF-8 を指定
- ファイルの BOM(Byte Order Mark)が付いている場合は除去する
git push が失敗する(SSH キー / 権限の問題)
症状: Execute Command ノードの git push がエラーになる
対処:
- VPS に SSH キーが設定されているか確認(
ssh -T git@github.com) - GitHub に VPS の公開キーが登録されているか確認(Settings → SSH Keys)
- n8n コンテナが git コマンドを使えるか確認
n8n の公式 Docker イメージには git が含まれていない場合があります。カスタム Dockerfile で git を追加するか、VPS のホスト OS で git 操作を行い、n8n から SSH 経由で呼び出す方法もあります。
n8n のエラーデバッグ方法はこちら → n8n でエラーが出たときのデバッグ方法
同じ記事が二重保存される(重複防止の設計)
症状: RSS を定期取得するとすでに保存された記事が再度保存される
対処:
-
記事 URL をキーにして Supabase に保存済みフラグを管理する
- Supabase のテーブルに
urlカラムを持つテーブルを作成 - n8n で RSS を取得後、IF ノードで「DB に URL が存在するか」を確認
- 未保存の記事のみ処理を続ける
- Supabase のテーブルに
-
ファイル名の日付をベースにする(日次実行なら重複しない)
- 毎日1回だけ実行し、ファイル名に日付を含める
- 同じ日は上書き保存
FAQ
Q1. Obsidian のプラグインなしで連携できますか? パターン A(ローカル直接書き込み)またはパターン B(git 経由)であれば、Obsidian のプラグインは不要です。Obsidian はフォルダ内の Markdown ファイルをそのまま vault として認識します。
Q2. n8n は VPS のどこに vault を置けばいいですか?
n8n の Docker コンテナからアクセスできるパスであれば任意の場所に置けます。docker-compose.yml の volumes でマウントするか、VPS のホスト OS 上に clone した vault リポジトリのパスを指定します。
Q3. Obsidian Sync と git を同時に使うと競合しますか? 実用上は「git はバックアップ、Obsidian Sync がリアルタイム同期の正本」と役割分担すると競合を最小化できます。
Q4. スマホから直接 vault に書き込むことはできますか? スマホの Obsidian アプリと QuickAdd プラグインを使って inbox に直接追記できます。n8n 経由ではなくスマホのアプリから直接書き込む方法です。
n8n と Obsidian を繋ぐと「情報収集→整理→アウトプット」の流れが自動化できます。n8n × Obsidian 連携 WF の JSON ファイルを LINE で配布しています。
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